タクシー運転手が稼げる、という話は嘘か本当か?
そんな疑問を抱いている方へ向けて、タクシー業界の収入事情について詳しく解説します。
近年、ネットやSNSを中心に「タクシー運転手は稼げる」「いや、稼げない」といった真逆の情報が飛び交っており、何が正しいのか分かりにくい状況です。
そのため、タクシー業界に興味はあっても「本当に稼げるのか不安で、転職に踏み切れない…」という声もよく聞かれます。
実際のところ、タクシー業界の給与体系は多くの場合「歩合制」であり、個人の働き方や工夫次第で収入は大きく変わります。
実力主義の世界であるため、コツをつかんで戦略的に動ける人は高収入を目指せますが、そうでなければ思うように稼げないこともあります。
さらに、勤務地によっても年収には大きな差が生じるため、「稼げる」「稼げない」どちらの意見にもそれぞれの背景があり、決して嘘ではないというのが実情です。
本記事では、タクシー運転手の平均年収や、高収入を得るためのポイントなどを徹底解説します。
これらの内容を参考に、ぜひ稼げるタクシー運転手を目指しましょう。
タクシー運転手の年収の現実
タクシー運転手の収入については「稼げる」「稼げない」と、正反対の情報が飛び交っています。
実は、どちらの意見も一概に間違いではなく、それぞれに理由があるのです。
これからタクシー運転手を目指す方や、すでに働いている方も、ネットや噂に振り回されて一喜一憂するのではなく、正しい情報を知り、その背景をよく理解することが大切です。
そうすることで、「どうすれば稼げるのか」という具体的な道筋が見えてきます。
まずは、タクシー運転手の平均年収がいくらなのか確認してみましょう。
日本全国の平均年収は?
最新の統計データをもとに、日本全国の平均年収とタクシー運転手の平均年収を比較してみました。
▼日本全国の平均年収(令和6年度)
| 業種 | 年間推計収入 | 月間労働時間 |
| タクシー運転手 | 約414万8,500円 | 約190時間 |
| 全産業 | 約526万9,900円 | 約171時間 |
上記のデータからは、タクシー運転手と他業種の平均年収には約112万円もの差があることがわかります。
さらに注目すべきは、タクシー運転手の労働時間の長さです。
これを見た限りでは「労働時間が長いわりに給料が低い=タクシー運転手は稼げない」という声も、あながち嘘とは言い切れません。
【出典】一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会|令和6年度タクシー運転者の賃金・労働時間の現況
タクシー運転手が高収入を得るための条件
統計データを見る際に注意しておきたいのは、これらの数値はあくまで「全国平均」に過ぎないという点です。
タクシー業界では「歩合制」の給与体系が一般的であり、働き方や工夫次第で収入は大きく変わるのが現実です。
つまり、同じ仕事をしていても、やり方や勤務地によって「稼げる」「稼げない」の差が人によって大きいということです。
また、タクシー業界の大きな特徴に「地域ごとの収入格差」が挙げられます。
どういうことなのか、さらに詳しく見ていきましょう。
下記の表は、タクシー運転手の勤務地別に、平均年収の上位5位・下位5位をまとめたものです。
▼ 高収入エリア TOP5
| 都道府県 | 平均年収(円) |
| 東京 | 5,022,500 |
| 群馬 | 4,811,300 |
| 愛知 | 4,751,100 |
| 大阪 | 4,573,700 |
| 神奈川 | 4,209,300 |
▼ 低収入エリア ワースト5
| 都道府県 | 平均年収(円) |
| 山形 | 2,740,100 |
| 秋田 | 2,641,800 |
| 福島 | 2,638,800 |
| 徳島 | 2,526,000 |
| 青森 | 2,119,200 |
【出典】一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会|令和6年度タクシー運転者の賃金・労働時間の現況
その結果はまさに一目瞭然です。
都市部と地方では、年収に2倍以上もの差があるという現実が明らかになりました。
そのため、平均年収で見ると他の業種よりも低水準とされるタクシー運転手ですが、勤務地が都市部であれば平均を大きく上回るケースも多いことがわかります。
では、なぜこのような差が生まれるのでしょうか?
それは、人口の多い大都市圏では、人口に比例してタクシーの需要も多く、常に安定した乗車ニーズが見込めるためだと考えられます。
高収入を目指す方にとっては、都市部での勤務を前向きに検討する価値があると言えるでしょう。
「タクシー運転手が稼げるのは嘘」と言われる理由は?
「タクシー運転手は稼げない」「高収入なんて嘘」、そんなネガティブな声が一部で聞かれるのは事実です。
これからタクシー運転手を目指すなら、こうした声の背景にある理由を理解しておくことが大切です。
なぜ「稼げない」と言われているのか、主な理由は以下の通りです。

歩合制の難しさ
タクシー業界の給与体系は、乗客を乗せた売上に応じて収入が決まる「歩合制」が採用されていることがほとんどです。
この歩合制は、経験・スキル・ノウハウ・勤務時間など、個人の働きが収入に直結する仕組みになっており、効率よく集客できれば、その分収入を大きく伸ばすことが可能です。
特に、前職で「正当に評価されていなかった」と感じていた方や、「これ以上の昇給が見込めない」と感じていた方にとっては、
この成果主義の仕組みは非常に魅力的に映り、転職してからやりがいを感じるようになったという声も少なくありません。
しかしその反面、売上が少なければ、その分収入も減ってしまうという、非常にシビアな一面もあります。
もちろん、経験を積めば徐々に収入が上がってくるケースも多いですが、中にはいつまでもコツがつかめず、稼げないまま苦労している人もいるのが現実です。
このような背景から、「タクシー運転手は稼げるって聞いたけど、嘘だった」という声が出てくると考えられます。
求人情報の落とし穴
タクシー会社の求人には、「月収40万円以上可能!」「未経験者でも高収入!」といった魅力的なキャッチコピーがよく使われています。
しかし、その多くはベテランドライバーの実績や、ごく一部のケース(長時間労働をした結果や、特定の繁忙期の場合など)に基づいていることも少なくありません。
このように給与額が高く見える求人は、インセンティブや手当などをすべて含んだ「最大想定額」を記載しているケースが多いです。
そのため、実際にはすべての人がそこまで稼げるという話ではないにも関わらず、こうした求人情報を鵜呑みにして入社してしまうと、「話が違う」と感じてしまうのです。
特に未経験者の場合は、「研修期間中の収入保証」や「固定給+歩合の仕組み」など、報酬体系の詳細を事前にしっかり確認することが重要です。
求人広告の数字だけに目を奪われず、自分の働き方や生活スタイルと照らし合わせて現実的にいくら稼げるのかを見極める目が求められます。
給料から差し引かれる意外な出費
タクシー運転手は、一見すると「歩合制でしっかり稼げる」仕事のように思われがちです。
しかし、勤務先の会社によっては、運転手自身に想定以上の金銭的な負担を強いているケースもあり、現場からは不満の声も上がっています。
実際に、以下のような費用を運転手自身が負担しているケースがあります。
1. 車両使用料
デラックス車など特定の車両に乗務すると、1勤務あたり300〜500円を自己負担。
2. 設備使用料
GPS、ドライブレコーダー、デジタコ、無線などの機器使用料として、1勤務あたり150〜300円を給料から差し引かれる。
3. 決済手数料
タクシーチケット・クレジットカードなどの利用時に、売上の1〜5%が手数料として給料から差し引かれる。
4. 高速道路の帰路料金
高速道路を利用して乗客を送った後、「帰りの高速料金」を運転手が負担する。
実際にどのような負担が発生するかはタクシー会社によって異なりますが、これらの費用を合計すると、月6,000円〜15,000円程度の出費になることもあります。
◎本来は会社の負担
本来、これらの費用は事業運営に必要な「営業コスト」であり、会社が負担すべきものです。
国土交通省も過去の通達で、こうした賃金控除は廃止するよう指導していますが、現場ではいまだに慣習として続いている場合があります。
こうした見えにくい出費が積み重なり、「稼いでも手元に残らない」=「タクシー運転手は稼げるなんて嘘だった」と感じる運転手も少なくないと考えられます。
【参考】国土交通省|「運転者負担制度」に関する意見
逆に「タクシー運転手は稼げる」と言われる理由は?
一方で、「タクシー運転手はしっかり稼げる」という声も聞かれます。
ここでは、タクシー運転手が稼げると言われる主な理由を3つ紹介します。

地理の知識があれば効率よく稼げるため
タクシー運転手が「稼げる」と言われる理由の一つに、地理の知識や人の流れを読む力が、直接収入に結びつく仕事であることが挙げられます。
特に都市部では、「どのエリアに、いつ行けば、乗客を効率よく拾えるか」という判断が、売上を大きく左右します。
そのため、地理に詳しいだけでなく、日々のニュースや人の動きを意識して常にアンテナを張る努力ができる人、自分で考えて行動することを楽しめる人は、着実に結果を出しています。
こうした日々の積み重ねや工夫が、「収入」という目に見える形で返ってくることに、大きなやりがいや手応えを感じている運転手も多くいます。
配車アプリの活用で稼ぎやすくなったため
最近では、UberやGOなどの配車アプリの普及により、待機時間を減らし、効率的に乗客を獲得できるようになってきました。
かつて主流だった「流し営業」とは異なり、今ではスマホひとつで次の乗車が自動で割り振られることも多く、営業スタイルはより稼ぎやすいものへと大きく変化しています。
特にアプリ需要の高いエリアでは、アプリをうまく活用するだけで売上が安定するという声もあり、これが「タクシー運転手は稼げる」と言われる理由のひとつとされています。
この傾向は特に、長年この業界で働いてきたベテランドライバーほど、以前との違いを実感しやすいポイントでもあります。
歩合制であるため
タクシー運転手が「稼げる」と言われる最大の理由は、やはり歩合制という給与体系にあります。
「稼げない理由」として語られることもありますが、一般的なサラリーマンのように収入の上限が決まっていないため、年齢や性別、今までの職歴などに関係なく、誰でも高収入を目指すチャンスがあります。
努力と工夫次第で高収入が狙えるという点は、歩合制のタクシー業界ならではの大きな魅力です。
稼げないタクシー運転手の特徴
稼げないタクシー運転手には、いくつかの共通点があります。
裏を返せば、これらのポイントを理解して対策を講じることで、着実に収入を伸ばすことが可能です。
これらを参考に「稼げるタクシー運転手」を目指していきましょう。

日勤のみで働いている
タクシー業界では、夜間・深夜には割増料金が設定されており、この時間帯に乗客を乗せることで、通常より高い運賃が得られる仕組みになっています。
そのため、日勤のみで働く場合は、朝夕のラッシュアワーやビジネス需要に限られた収入しか見込めず、どうしても売上に限界が出てきます。
家庭の事情やライフスタイルによって夜勤が難しいケースもありますが、効率よく収入を増やすには、やはり夜勤や隔日勤務を取り入れることがポイントとなります。
地方エリアで勤務している
都市部と比べて、地方エリアで勤務するタクシー運転手の収入は平均的に低い傾向があります。
これは、人口密度や観光客の数、公共交通の整備状況などの違いから、そもそもの乗車需要が少ないためです。
日々の売上も伸びにくく、結果として収入にも限界が生まれてしまいます。
ただし、地方であっても、アプリ配車に強いエリアや、法人契約・病院送迎などのニーズが多い地域では安定した集客が期待できます。
そのため、特に地方で勤務する場合には、どのエリアで働くかを慎重に見極めることが収入を左右するポイントとなります。
自己管理ができていない
タクシー運転手は、働き方に自由度が高い反面、自己管理能力が強く求められる仕事です。
「自由に働ける=楽」ではなく、自分で考え、戦略的に動けるかどうかが収入の差を生みます。
出勤後の営業ルート、休憩のタイミング、どのエリアで乗客を狙うかといった判断は、すべて本人の裁量に委ねられています。
計画性なく「なんとなく走っているだけ」では、なかなか売上は伸ばせません。
稼ぐためには、日々の営業データやエリアの傾向を分析しながら、自分なりの働き方を組み立てていく力が欠かせないと言えるでしょう。
接客スキルが不足している
タクシー運転手の仕事で意外と見落とされがちなのが、接客スキルの重要性です。
タクシーは単なる移動手段ではなく、サービス業の一種でもあります。
感じの良い対応や丁寧な言葉づかいができる運転手には、自然とリピーターや指名客がつきやすくなり、売上アップにもつながります。
一方で、無愛想な対応をしていると、クレームや低評価、さらには口コミなどで悪い印象が広まり、乗車数が減ってしまうこともあります。
ささいな気配りや笑顔が収入を左右することもある、その意識を持てるかどうかが、稼げる人・稼げない人を分ける大きなポイントになるのです。
まとめ
タクシー運転手が「稼げる」「稼げない」と意見が分かれる大きな要因は、個人の働き方や工夫次第で収入が大きく変わる、歩合制という給与体系にあります。
歩合制であるからこそ、戦略的に行動できる人にとっては、より多くの収入を得るチャンスがある仕事です。
その一方で、誰でもすぐに高収入を得られるわけではなく、成果を出すにはそれなりの努力や経験が求められます。
このように、「稼げる・稼げない」という議論の背景には、個人のスキル・知識・行動力の差が大きく影響していることから、どちらの意見もあながち嘘とは言い切れません。
また、求人情報との認識のズレや、現場にある見えにくいコストや負担が原因で、ミスマッチが起こるケースも少なくありません。
こうした点は、応募前に企業へ具体的に確認しておくことが非常に重要です。
とはいえ、タクシー業界の実態を正しく理解し、しっかりと心構えと対策をしたうえで働けば、安定して稼ぐことは十分に可能です。
今後は高齢化や観光需要の増加などにより、タクシーのニーズがさらに高まると予想されています。
興味のある方はマイナスな噂だけに囚われるのではなく、ぜひ前向きに、タクシー業界を一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
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